デジタル・グルメ映画をWebマーケ会社の人間が解説「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」(2015/2/28公開)

デジタル・グルメ映画をWebマーケ会社の人間が解説「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」(2015/2/28公開)

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先日映画好きの友人に誘われ「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」の試写会に行ってきました!この映画、ウェブマーケティング的に侮れない内容でした。ネタバレはしない程度にそっちの視点から、映画を紹介したいと思います。

あらすじ

主人公
カール: 一流料理人。仕事への情熱のため周りが見えなくなることがある。ネットレベルはSNSという言葉が分かるくらい。
主人公の息子
パーシー(10歳) : 父のフードカートのアシスタント。Facebook、Twiter、Vineをバリバリに使いこなすデジタルネイティブ世代。

ストーリー
一流レストランで料理長をするカールは始めたばかりのTwitterを炎上させ店を解雇された。就職先を失ったカールはひょんな事からマイアミに行くがそこで出会ったキューバ料理に感動しマイアミからロスまでキューバサンドのフードトラックの旅を始める決意をする。同乗していたカールの息子パーシーは遊ぶ様にFacebook、Twiter、Vineを使いフードトラックを宣伝していくが、それが抜群の広報活動に繋がりカールのキューバサンドは次第に人気を獲得する。今まで失っていた親子間との絆も長旅で取り戻していき―。

見どころ

美味しそうな料理、テンポの良い展開、マイアミからロサンゼルスまでの美しい風景の移り変わり、等等見ていて飽きません!主人公演じるジョンファブローがアイアンマンの監督であることもあり、分かる人にはアイアンマンつながりの豪華なキャストもたまらないでしょう。

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Filmarksの口コミ・感想より)

SNSの描かれ方

トレーラーでも分かる通り、映画にはSNSが演出上数多く登場します。大人と子供のITリテラシーの違いをユーモアたっぷりに映画全体に散りばめた作りはデジタル時代の移り変わりやSNSを使うユーザーの変化という点でも見ていて面白いかもしれません。

登場するSNSアプリは、知っている方にはお馴染みのブログ、Twitter、Vine等があります。今やレストランの宣伝でこれらのSNSを使うのは重要になりつつありますが、SNSの経験や、リアルタイムに外にいる時に複数のSNSをチェックしレストランを決めたことの無い人には「なんじゃこりゃ?!」という内容かもしれません。

SNSの怖さを警告する世間の風潮とは逆に、SNSのポジティブな可能性を見せているのが今っぽいですね。

デジタルネイティブのITリテラシー

映画でカールは息子に頼んで初めて自分のTwitterアカウントを作ります。しかも怖いもの無しの実名で。ですが1日も経たない内に炎上させてしまうのでした。一方、息子のパーシーはカールの職場のキッチンに立ち入ることを口の野蛮な料理人が多いと言う理由で禁止されていますが、汚い言葉は毎日ネットで聞いていると反論します。カールにとってネットで繰り広げられている事はよく分からない世界なのに対し、パーシーにはネットも現実も確かに自分が生きる一つの世界であるわけですね。パーシーは結果的に父親カールの使うことができないSNSを上手に使いフードカート成功の立役者となります。

デジタルネイティブとは?

パーシーは所謂デジタルネイティブという世代で、生まれた時からインターネットが身近にあった世代です。デジタルネイティブの定義は諸説ありますが、この記事ではかなり的を絞りパーシーのようなFacebook、YouTube、Twitterが登場した2005年前後に生まれた世代とします。この層の特徴は赤ちゃんの頃からスマホの鍵を解除しYouTubeを見たりすることが挙げられ、今の社会人世代とはかけ離れたスピードでネット社会へ適応していると言われています。ネットが普及してから世代間でのジェネレーションギャップは昔と比べて大きくなっていますが、デジタルネイティブの誕生によりこのギャップはより広がりを見せそうです。

参考:新世代ェ・・・デジタルネイティブの恐るべき生態

大人より優れてる?ITリテラシー

子供のITリテラシー教育は常に世間で関心の高い話題ですが、それでは大人のITリテラシーはどうなのでしょうか。プライベート用のfacebookアカウントに誤って会社の人を自動登録したことのある人は多いと思います。芸能人も一昔前はよく色々な人がブログやツイッターを炎上させていました。

それに比べ、今のデジタルネイティブ世代は新しいサービスへの適応力はもちろん、インターネットと繋がることの怖さを感覚的に大人より速いスピードで理解出来ているのかもしれません。共同通信社のニュース記事でもインターネット利用時間とリテラシーの高さは比例しないとした上でSNSでの個人情報の適切な取り扱い方法を知らない人は30~40代に最も多かったという結果が出ています。

参考:デジタルネイティブは案外慎重  リテラシー欠如は30代?
上記参考のソース:「ITの『生活・くらし』への影響に関する調査報告」

デジタルネイティブを取り込むサービス作り

デジタルネイティブの世代をこの記事では2005年前後に生まれた世代と定義しましたが、広義には1990年代以降に生まれた世代からもデジタルネイティブと呼ぶことができます。つまり映画ではカールのキューバサンドを買いに来る20代の客層もデジタルネイティブということです。彼らにマーケティングの視点からどのようにアプローチするか、というテーマはどの企業もこれから抱える問題かもしれません。その時には固定概念を捨てターゲットの使用するデバイスや情報源、また「誰が」「いつ」情報の拡散をしてくれるのか。という点まで視野を広げる必要がありそうです。

参考:デジタルネイティブを振り向かせるには? 雪印メグミルクとZ会が語る「ブランド再構築」のアプローチ

デジタルネイティブと共に生きる

映画内で主人公カールの未知の存在として描かれたパーシーのようなデジタルネイティブ世代は現在世界人口ではマイノリティーと言えます。彼らはネットの存在しなかった時代を知らずネットと現実の区別、また職業、年齢という肩書きも気にしない傾向にあります。

そんな彼らが将来会社で働くとなった時、ITの世界で育ってきた彼らと途中からITを知った世代とではどのような摩擦が生まれるのでしょうか。彼らは予測不能なクリエイティブな可能性を持ち、世界のあらゆる分野をリードする立場になることは間違いありません。しかし、これらの増加し続けるデジタルネイティブを上手く巻き込むことは今後の企業の成長性をも左右しかねないことは確かでしょう。

参考:NHKスペシャル デジタルネイティブ~次代を変える若者たち~

この記事を書いた人

author by 藤井 和香

藤井 和香

宝塚を愛する乙女。元星組トップの柚希礼音で宝塚にはまり今では星・月組中心に観劇しています。体力余っているときは会社帰りに日比谷で出待ちバリバリです。

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