ビッグデータ活用の為の法整備、これからどうなる?パーソナルデータ

ビッグデータ活用の為の法整備、これからどうなる?パーソナルデータ

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日々大量に蓄積されるインターネット検索履歴・オンライン販売の購入履歴。
これらを分析してマーケティングなど様々な問題解決に利用する“ビッグデータの活用法”が注目を集めていますね。

一方で、消費者にとって気になるのはビッグデータに潜む“パーソナルデータ”の扱い。
個人の行動や状態に関する情報が”パーソナルデータ”として知らぬうちにどこかで蓄積されるため、「自分が何をしたのか監視されているかも?」「個人情報まで特定されちゃうんじゃない?」などの不安感が膨らんでいます。

また、パーソナルデータは現在の法制度が対応しきれていないため、企業の自由に利活用できる範囲と個人の権利の線引きが曖昧になっており「グレーゾーン」が生じている現状です。

そこで近年、パーソナルデータに関する法改正の動きが出てきました。

今回は、法規制の側からビッグデータの活用法を考えてみようということで、一月の通常国会で提出された個人情報保護法案の骨子の中からビッグデータの活用に関連する三つのポイントを紹介したいと思います!

この「グレーゾーン」をいかにして解消するかが企業のビッグデータの活用を左右するポイントとなるので、ぜひ読んでみてください。

★参考:第13回パーソナルデータに関する検討会、配布資料

目次

  • 不正に入手した情報でないか確認+誰に見せたか記録を付ける
  • オプトアウト規定の見直し。新たに委員会に届け出が必要に
  • 匿名加工情報取り扱いに三つの規制
  • まとめーここからどうなるかでビッグデータの利活用が決まる?

不正に入手した情報でないか確認+誰に見せたか記録を付ける

まずひとつめ。

ベネッセコーポレーションの個人情報流出事件はまだ記憶に新しいですよね。この事件では従業員による流出とともに、個人情報を購入した企業の責任についても注目されました。企業は不正に入手された情報なのか確認すべきであり、不正なものであれば購入側についても規制すべきなどの意見が出ていました。

これに関しては大きく二点。

(1)個人情報の提供を受ける際は、出所の確認と提供を受けた旨の記録が必要
(2)個人情報の提供をする場合は、提供先の記録作成が必要

ということ。事業者に対して情報の出所を確認が義務づけられる事で、不法な業者への牽制になると同時に各事業者の責任の所在が明らかにできそうです。

★参考:上記参考資料のp.8「個人情報の保護を強化するための規定の整備(1)」より

オプトアウト規定の見直し。新たに委員会に届け出が必要に

つぎは消費者視点。自分の情報が手に手に渡っていく不安に関して。

個人情報の元々の持ち主により提供停止をもとめること(いわゆるオプトアウト)が見直されることになりました。現行法では、消費者が求めれば情報提供停止に応じる旨を(サイト等に)掲載すれば、保有する個人情報を第三者に提供できます。

実状では、サイトのどこかに記してあれば適法であるかのように見られています。たとえ消費者が知らない・気付かないような隅の方であっても。

そこで改正案では、第三者機関である個人情報保護委員会による監督が入るようになります。きちんとした通知ないし消費者が簡単に知り得る状態になっているかを届け出た上でなければ適法とならない、と改正案は示しています。

匿名加工情報取り扱いに三つの規制

最後に、個人情報を一部修正して用いることに関して。

ビッグデータは、個人情報を加工し個人個人を特定できないよう匿名化することで、データをより使いやすく様々な方法で活用することが見込まれています。たとえば会員情報と購買情報のセット。これをそのまま第三者に提供すると特定性が高いですが、データ解析や他のマーケティング活動に非常に高い有用性が見込める情報です。

このような情報を安全性に配慮しながらより活発な利用を促進するため、情報の加工と取り扱いに規則を設けることが提案されています。

個人情報を加工する場合、加工者には

(1)加工は復元不可能にすること
(2)削除した記述・加工方法は秘匿すること
の二点。

情報受領者には
↑の(1)(2)と
(3)受け取った情報の照合、復元をしないこと
の計三点が定められます。

利活用を過度に規制することなく「なにをしてはいけないか?」を明らかにして工夫がされた規制案ですね。

また、補足として情報の加工にあたっては新たに設けられる第三者機関(個人情報保護委員会)に届け出が必要となる旨が示されていますが、現在の提案法規に情報の提供にあたっては特に記述がありません。この点については「トレーサビリティ(自分の情報がどのような経緯を辿って伝わっているのかがあとで判明しやすい)が、確保できるため提供先を含め包括的に委員会に届け出させた方が、いいのではないか?」などの意見が出ているため、届け出制度は制定時までに少々の変化があるかもしれませんね。

★参考:上記参考資料のp.4「2.適切な規律の下で個人情報等の有用性を確保するための規定の整備(1)」より

まとめ-ここからどうなるかでビッグデータの利活用が決まる?

今回紹介させて頂いた法案はあくまで国会提出のための骨子です。
この骨子が出来上がるまでに様々な討論会で意見が繰り広げられていますが、ここから先国会を通す中でどのような修正がなされるかはまだわかりません。

厳しく規制し過ぎて日本におけるビッグデータ活用が遅れをとるか、緩め過ぎてグレーゾーンを残してしまい利活用控えが起こってしまうか。規制法が左右するところは大きいでしょう。いずれにしろ実際にどのような法律が成立するかは注目ですね。

この記事を書いた人

author by 小林右京

小林右京

トレンドの移り変わりの激しいIT業界を日々ワクワクしながら勉強しています。趣味は最近ボルダリングはじめました。自分の体格に合った答え(登り方)を見つけると快感ですよ!

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