オンライン・ファミリーセール・サイト『GILT』からファッションEC担当者・EC事業者が参考にするべき3つのポイント

オンライン・ファミリーセール・サイト『GILT』からファッションEC担当者・EC事業者が参考にするべき3つのポイント

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以前、当ブログでもご紹介した日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」。
これまでの「安価」ということだけが売りの通販サイトから脱却し、「おしゃれでカッコイイ」というセレクトショップの要素を取り入れ、その世界観を反映し、若者を中心に人気となっています。

実際の店舗のような世界観をECサイトでも感じることができる、人気のファッションECサイトになるためには重要なポイントだと思います。

今回は、米国で約350万人、日本でも約77万人の会員数を誇る、オンライン・ファミリーセール・サイト『GILT』から、ファッションEC担当者及びEC事業者が参考にするべきポイントをご紹介させていただきます。



■オンライン・ファミリーセール・サイトとは

ファミリーセール…聞き慣れない言葉ですよね。まずこの言葉についてご説明します。

ファミリーセールとは主にアパレル関連の用語で、ブランドのメーカーが関係者のみを対象に格安で商品を提供するセールのことを指します。このファミリーセールをEC化したものがオンライン・ファミリーセール・サイトです。オンライン・ファミリーセール・サイトには以下のような共通した特徴があります。

商品ラインアップは国内外のハイクオリティ・ブランド

ドルチェアンドガッバーナ、バレンチノ、マークジェイコブスなど馴染みのあるブランドから日本未発売のブランドまで日本国内外で有名・人気の高級ブランドの商品を販売しています。

 

会員限定のフラッシュセール

「フラッシュセール」とは、期間限定で割引価格の商品を提供する販売方式です。会員登録制という限られた利用者のみに展開され、クローズドな分お買い得な価格で購入することができます。最大70、80%オフといった商品も存在します。

また、気に入った商品を買い物カゴに入れた後、10~15分以内に支払わないとキャンセルされてしまいます。「今買わないと売り切れてしまい、後悔するかも」という消費者心理を上手く突いています。

 

会員登録制というクローズドな空間とTwitterやFacebookへのオープンな情報発信

オンライン・ファミリーセール・サイトは会員登録制です。それにより、高級ブランドの世界観や一般のECサイトには無いラグジュアリー感を提供し、サイトのブランド価値を高めていると感じます。

また、商品購入ページにはTwitterやFacebookのプラグインが装備されており、気に入った商品や購入した商品の情報をソーシャルメディア上に公開することができます。

 

高級ブランド品の「ファミリーセール」と「タイムセール」をミックスさせ、顧客の購買欲を刺激する、巧妙な仕組みであると感じました。

 

それでは、GILTについてご紹介します。

GILT

GILTを運営するギルト・グループは2007年に米国で設立されました。創設者である二人の女性のうち一人は、e-Bayの設立メンバーであり、もう一人は、ブルガリとルイヴィトンで実績を積んだ人物。eコマースに関する知恵とファッションブランド業界における人脈・交渉力が同グループのビジネスモデルの基盤となっています。

「高級ブランドを格安で提供する会員制サイト」は、忙しくて買い物に行けないキャリア女性や、正価のブランド品には手が出ない若者、地方に住むブランド好きの人々に支持され、ローンチから4週間で会員数5万人に拡大。創業からわずか1年で年商30億円規模に発展、4年で売上高が5億ドル(約375億円)、米国の会員数は約350万人と急成長しています。

2009年3月に海外進出第一号として日本版サイトがオープンしました。ローンチ当初は山本モナさんを起用して招待状を送るというセレブリティな世界観を作り、話題になりました。

現在、日本版サイトは会員数約77万人の規模となっています。


取り扱う商品は、メンズ・ウィメンズ・キッズの高級ブランド品の他、レッスン体験やヘアーサロン、レストランの割引クーポンなど幅広く提供しています。海外版サイトでは貸別荘や旅行商品、高級食材も扱っています。

海外版のサイトでは、割引していない定価での販売も行っています。人気ブランド品のフラッシュセ-ルはすぐに売り切れてしまい、不満を漏らす顧客がいた為、定価で良ければという思いで販売したところ、それが好調だということです。

ギルトのサイトは黒を基調に見た目が美しく、ラグジュアリー感を漂わせるつくりである為、定価でも評価を得ています。過去にフラッシュセールで商品を購入し、「買って良かった」と感じた顧客が定価でも購入している、とのことです。

この海外版サイトの事業拡大の流れは、会員数や売上、取り扱う商品数の増加に伴い、日本版でも展開される可能性があると思います。

また、ギルトの特長として、商品は業界に精通したバイヤーがセレクトした商品だけを正規ブランドから直接取引によって仕入れています。プロの目によってキュレーションされているのです。これにより、ユーザーは多くの商品から検索し、気に入る商品を探す手間や時間を省くことができます。

従来のようにサーチ型を基盤にするのか、ギルトのようにキュレーション型を基盤にするのかでビジネスモデルに大きな違いが生まれると思います。

情報過多の現代社会にとって、キュレーションは人々のストレスを軽減し、簡単にわかりやすく知りたい情報に到達させる手助けとなります。また、キュレーションによる思いがけない情報との出会い(セレンディピティ)は、キュレーターやEC事業者とユーザーとの新たな情報の掛け橋になるのではないでしょうか。

 

 

■GILTから参考にするべき3つのポイント

取り扱う商品と顧客ターゲット層の最適化を図る

ギルトが取り扱う高級ブランドは、ターゲット層である忙しくて買い物に行けないキャリア女性や地方に住むブランド好きの人々と非常にマッチしています。また、なかなか正価のブランド品には手が出ない若者という新たな顧客層を開拓したことは、ブランド側にとって大きなメリットであり、将来を見据えたマーケティング戦略と捉えることもできます。

成長するEC市場において、商品とコアターゲット層とを最適化させることは勿論のことで、そこから更に新たな顧客層を開拓するための施策が必要だと思います。

 

キュレーション型サイトの構築により、商品のクオリティーを維持する

バイヤーによってキュレーションされた商品を販売するという点がギルトの特徴です。

楽天やアマゾンのような大手ECサイトでは何万点にも及ぶ商品群から商品を探さなければなりません。欲しいものが必ずそこにあり、購入できるという点では消費者にとって良いですが、手間と時間が掛かります。

そこを省いて、良いものを買いたいと思う人々も必ずいます。そういった人々にとって、プロの目でキュレーションさせた商品を購入することができる点は大きなメリットだと感じます。

継続的に購入者が満足する商品を提供することで、多少高い商品でも買ってもらえる、リピーターを形成することができます

先週のブログでもご紹介しましたが、バイヤーのようなプロの視点しかり、ユーザー間での消費者の視点しかり、これからのECサイトにとって「キュレーション」 は重要な要素となりそうです

 

デザインや商品画像等のコンテンツにより、ブランドのイメージ・世界観を表現する

ソーシャルメディアの急速な普及により、ECサイトのソーシャル化が進んでいます。当然、ギルトもfacebookページを開設し、情報発信・ファンとのコミュニケーションを行っています。しかし、ECサイトはfacebookやtwitterのプラグインを装備している程度です。

ギルトは、ソーシャル化・オープン化ではなく、クローズドな空間として会員登録制を敷き、洗練したデザイン・商品画像の質を重視することで、高級ブランドのイメージや世界観を醸し出しています。

今後、ECサイトのソーシャル化が進み、ソーシャルコマース市場の成長が見込まれています。特にファッションECサイトはソーシャル化するべきです。しかし、ソーシャル化することによって、ブランドの世界観が崩れてしまってはいけません。

サイトデザインや商品画像等のコンテンツにより、ブランドのイメージ・世界観を表現し、ユーザーと共にブランディングをしていく。そういったバランス感覚・コントロール能力が今後のECサイトには必要なのではないかと考えます。

 

ご紹介しませんでしたが、オンライン・ファミリーセール・サイトにはGLAMOUR-SALESBRANDS for FRIENDS、AmazonのMYHABITなどがあります。

 

主体的な意見や説明不足な点があるとか思います。何かコメントや質問などございましたら、コメント欄によろしくお願いします!

この記事を書いた人

author by 安藤 将紀

安藤 将紀

セールスチーム所属。立命館大学映像学部でコンテンツマーケティングを学ぶ。 現在ソーシャルマーケティング特にO2Oに興味アリ。

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