スタートアップがPinterest流のバイラルを生む方法

スタートアップがPinterest流のバイラルを生む方法

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みなさん、こんにちは!
最近話題の、ソーシャルを活用したコンテンツのキュレーションサービス「Pinterest」に関連して、Tech Crunchの「How to Make Your Startup Go Viral The Pinterest Way」という記事をもとに、Pinterestがいかに急成長を遂げたか、そのバイラルを生んだ背景にはどんな仕組みがあったのか、をご紹介いたします。

■「Pinterest」の成長過程
Pinterestは2年前、2009年の感謝祭に誕生しました。一夜のうちに成功を収めたわけではなく、むしろその成長は驚くほどに穏やかで控えめなものでした。

via Pinterest.com 3,244,249 UVs for October 2011 | Compete

CompeteによるPinterestの2010年10月~2011年11月の1年間のトラフィックはを見てみると、月間のユニーク訪問者数は4万人から320万人にものぼっていますcomScoreによると、Pinterestのページビューは6月以降2000%のページビューを達成したといいます。
また、ベンチャーキャピタルはこのスタートアップは2億ドルの時価総額があると発表した。シリコンバレー随一のエンジェル投資家Ron Conway氏は、Pinterestは2006年当時のFacebook並の成長を見せていると述べています。

Pinterestの月間45%という成長率は突飛ではあるものの、もしPinterestが来年以降も月20%の成長率を維持するとしたら、1年後には3000万人のユニークユーザーを、また月間25%の成長率であった場合は、5000万人のユニークユーザーを獲得する計算になります。これは単純な推測ではありますが、Ron Conway氏の声明と先月までの成長を見れば、その可能性もあり得ると言えるのではないでしょうか。
では、バイラルとPinterestの根源にある要素を検証してみましょう。

 

■スタートアップにとってバイラルは本当に必要か?

紹介や推奨によるバイラルは、一般的に顧客獲得を低コストに抑える必要がある製品やサービスに重要であるとされています。無料で、かつユーザーを駆り立てられる方法は、消費者向けのスタートアップにとって重大な要素です。

「バイラルによる成長は持続可能?」
バイラル化するには、訪れたすべてのユーザーが、別のユーザーを呼び寄せ、複数のユーザーによる大規模な共同作用を成すような仕組みが必要となります。
バイラルが欠乏した場合は、サービスの成長を継続させるために既存ユーザーを維持する必要が出てきます。そのため、毎日、毎月のアクティブユーザーの数値は重要な測定基準として徹底して探知しなければならず、ユーザーのサービス離れは究極の敵なのです。もちろん、各ユーザーが新しい人々を少数しか連れてこなければ成長にも長い時間を要することになりますが、ユーザーが離れることが無い限り、結果として継続的に万事うまくいくことになるでしょう

「バイラルのサイクルは短いほど良いのか?」
バイラルのサイクルの時間に関しては、その言及が短いほど速くバイラルが確立することが言われています。しかし同時にブランド離れの頻度も極端に高いと言えます。例えば、ユーザーはソーシャルゲームなどには飽きるのが早く、すぐに離れてしまうため、ユーザー1人の継続期間は数時間か数日であるというのはよくあることです。
確かに、バイラルがあるほど、そのサービスは次々とユーザーを獲得し継続的であるかもしれませんが、突発的な成功は持続性の保証にはなりません。そのため多くのスタートアップは、本当の持続性を証明する前に、測定基準を高く見積もり、時期尚早にプレスにて過剰に押し出そうとしたりする自体が起こってしまうのです。

 

■Pinterestのバイラルとシェアの検証
今日Pinterestは、時期尚早のでっちあげをすることなく、ユーザーの間で熱狂的に常習され、シェアされています。多くのスタートアップがテック系コミュニティーの中でコンテンツが育て上げられているのに対して、Pinterestの一般のユーザーはミッドウェストの主婦で、TechCrunchを読んでいるような専門技術者ではありません。
では、Pinterestのシェアやエンゲージメントは、どのような仕組みの上で、バイラルを生んだのでしょうか。

「クローズドなInstagram、オープンなPinterest」
ここで少し、PinterestとInstagramを比較してみましょう。
この2つは「写真」というコンテンツがベースとなっており、FacebookやTwitterによるシェアやクチコミをまたいだバイラルでユーザーを獲得しています。しかし、バイラルとシェアを引き起こすしかけは互いに異なっています。

Instagramは、ポピュラーされたり、ハッシュタグ経由で発見されない限りInstagram内のネットワーク上で写真を拡散することはできません。また、たとえ写真がウェブ上でツイート、投稿されたとしても、iPhoneアプリを使わなければ、誰かをフォローしたりいいね!したりすることはできません。この「限られたネットワーク上でのシェアを伴っている」という事実を考えると、過去1年の間にユーザーが100万人から1000万人に増えたというInstagramが、どうしてこれほど印象的な成長を遂げたのかは明らかです。

Pinterestは、Instagramのような拘束がなく、ウェブ・モバイル・アプリいずれにも対応しています。そのためサイト外の拡散によるバイラルも生まれやすく、Instagram以上の高い成長の可能性があると考えられます。最初のpinは他のユーザーのコンテンツのrepinから始まるため、「Pinning」はこの可能性を仕組みとして組み込んでいると言えます。


via Pinterest / Help

「Pinningのバイラルを生む仕組み」
ユーザーは会員登録をせずにPinterestのサイトを訪れコンテンツを気の向くままに眺めることができます。サイトには訪れても登録をしていないという消耗的なユーザーにも、会員ユーザーと同様の価値が提供されているのです。そうして、ユーザーはコンテンツをpinする準備が整ったところで、いよいよアカウントを作り、熱狂的に利用し始めます。

PinterestはTumblrのような外部からのコンテンツの取り込みを強化し、ユーザーにわざわざ新しくコンテンツを作らせることなく、その影響力を頂点まで高めていきました。また、FacebookやTwitterでのネットワークをまたいだシェアに加えて、pin、repin、likeなどのサイト内におけるバイラルの仕組みづくりも徹底しました。おそらくこの仕組みこそが、Pinterestが最近記憶に残る消費者向けサービスとして急速に成長できた理由だと推測できます。

また最も注目すべき点としては、ミッドウェストの主婦たちがPinterestを買い物の商品探しに使っているように、Pinterestはマネタイズの前兆を明確に見せているということです。すなわち、Pinterestは購買のプラットフォームとしての機能を提供することにより、収益を得ることが可能なのです。
Pinterestは今から一年後に成功を収め、おそらく次の感謝祭の頃には3000万人のユーザー数を達成するでしょう。そして、Pinterestを模倣したスタートアップが何百と生まれることでしょう。

(参考:How to Make Your Startup Go Viral The Pinterest Way|TechCrunch

 

■Pinterest流のバイラルを生む仕組みとは?
この記事の筆者Steve Cheney氏は、以下の前提を踏まえて、Pinterest成功の要因を説明しています。

●Pinterestは急成長までに約2年の時間を要した
●バイラルによる急速なユーザー獲得と、急速なブランド離れは紙一重
●バイラルによる急速な成功は、サービスの持続的な成功になるとは限らない

つまり、従来の急速で一時的な拡散力を持つバイラルを継続させていくのではなく、オープンなユーザビリティでサイト外部だけでなくサイト内部のバイラルを生む「Pinterest流の仕組み」こそが、サービス成功のポイントになるということを指摘しているのだと考えられます。
この「Pinterest流のバイラルを生む仕組み」とは具体的に以下の点が上げられると思います。

会員登録しなくてもコンテンツを楽しめる
ウェブ・モバイル・アプリすべて対応しており、外部のコンテンツをうまく取り込んでいる(ユーザーにとっても使い勝手が良い)
pin、like、repinといったサイト内での共有・拡散の仕組みを徹底している

以前のFacebookなみの成長を見せていると話題にされているPinterest。今から1年後がどうなっているか、楽しみですね。

この記事を書いた人

author by 深谷 直

深谷 直

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