セールスフォース・オラクルが目指すソーシャルCRM〜買収報道の背景にあるもの〜

セールスフォース・オラクルが目指すソーシャルCRM〜買収報道の背景にあるもの〜

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今回は、日本ネット経済新聞社5月24日発売の「CRMの強化進む」という気になる記事を発見したのでこちらのデータを踏まえつつ今後のCRMの動きを追ってみたいと思います。

◆顧客の購入単価を高める目的でCRM予算が増加
日本ネット経済新聞が行ったEC事業者対象のCRM実態調査では、CRM予算が10年に比べ11年にCRMコストを増加した事業者が約5割。(n=27)
そもそもアンケート社数が少ないのですが、今後はCRMを強化する事業者が増加する中でCRM手法をどう差別化していくかということがポイントになってくると考えます。
それはつまり、「CRM自体を進化」させていく必要があると言えるのではないでしょうか。

先に述べたような企業側の高まるCRMニーズにいち早く対応しているのが、大手ソフトウェア会社のオラクルとセールスフォースです。
実はこの2社にある共通した動きがみられました。

その共通するの動きが「ソーシャルメディアマーケティング会社の買収」です。

オラクルはVitrue(買収額は未発表)、セールスフォースはBuddy Mediaを800$(約640億円)で買収に向けて交渉中だと報道されました。

Vitrue・Buddy MediaともにFacebook、Twitterなどのソーシャルサービス上でマーケティングキャンペーンを展開するためのSaaSベースのツールを提供する企業。

今回の買収報道から両社が目指す方向性が何気なく似ている気がします。
それでは、買収した背景には一体どのような意図があるのかを考えてみたいと思います。

◆新たなCRM手法のチャネルの一つとしての「ソーシャル」
従来はユーザー個人の情報とサイト内のアクティビティの紐づけはユーザーから提供される個人情報が少なかったため、なかなか進展がありませんでした。
しかし、ソーシャルメディアの普及により今までの状況に変化が起こっています。

その変化の要素として、ユーザーがfacebookなどのソーシャルアカウントに登録している充実したプロフィール・ユーザーがソーシャルネットワーク上で費やす時間と情報発信量の増加が挙げられます。

ユーザーとのタッチポイントとしてソーシャルは魅力的な場であり、BtoCマーケティングに強みを持たないソフトウェア会社の両社が今後はユーザー体験のフロントに立ち顧客サポートを行う必要があると判断したのではないでしょうか。

◆進むOne to Oneマーケティング
この他にも要素はあると思いますが、両社が近い将来実現させたいことに顧客の同意を得た上で情報を取得して役に立つ最適な情報をパーソナライズ化して提供(One to Oneマーケティング)があると考えます。
そしてこれからの時代に忘れてはならない考え方として、マーケティングで数々の本を執筆しているセス・ゴーディンによる「顧客の同意を得る」という10年以上前に提唱されたパーミッション・マーケティングを今こそ改めてソーシャルメディアを活用する企業は学ぶべきだと思います。

パーミッションマーケティングとは消費者が自ら進んでマーケティングに参加するように促すこと。そして参加した人たちに語りかけ、彼らがさらに関心を深めるようにする。

今まで主に営業を管理するためのツールとしてのCRMが、同意を得たユーザーの個人情報の活用「ソーシャルCRM」へと進化する予兆が見え始めていると言えるのではないでしょうか。
ソーシャルCRMはあくまでCRMありき、あくまで一つのチャネルに過ぎないという認識のもと今後のソフトウェア業界の動きを追っていきたいと思います。

この記事を書いた人

author by 川田 智明

川田 智明

ITがマイナーなものをメジャーにするところが好き。ファッションをおかずにご飯3杯イケる。関心はファッション×IT分野・アドテク周りも。

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