自社サイトとソーシャルメディアをどう連携させる?:断片的だった音楽ファンの体験を集約させたInterscope Recordsの事例

自社サイトとソーシャルメディアをどう連携させる?:断片的だった音楽ファンの体験を集約させたInterscope Recordsの事例

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ソーシャルメディアの登場で、私たちはよりリアルタイムに、お気に入りのミュージシャンやアーティストとつながることができるようになりました。最近のアーティストたちはTwitterやFacebookページの他、YouTubeやInstagram、Tumblrなどなど、あらゆるソーシャルアカウントを開設していることも少なくなく、合わせてファンたちもあらゆるソーシャルネットワークやコミュニティに参加するようになりました。

好きなアーティストだからこそ、つぶやきも写真も動画もいろいろ見られることはうれしいけれど、その分チェックしなければいけないサイトが増えて大変だったり。それに好きなアーティストが複数いたら、さらにチェックしたいサイトの数は膨らみてんやわんやになったり。(大変だけど、これもまた楽しいものかも)
とはいえ、こうしたつぶやきや写真や動画などを通じたファンの断片的な体験を集約し、より参加しやすく親和性を高めるべく、Interscope Recordsのサイトはソーシャル連携を強化してリニューアルしました。

散在しているソーシャルアカウントやアーティストのコミュニティ、そこでの体験を「Interscope.com」というひとつのサイトに集約させたInterscope Recordsの取り組み。サイトのソーシャル連携により、ファンの利便性向上と共に、サイト自体のコンテンツの充実やパフォーマンス向上も見込める事例をご紹介いたします。

■ひとつの場所で、どんなアーティストも音楽も写真もソーシャルメディアも楽しめる
まずはInterscope.comの新しいwebサイトがどんなものなのか、こちらのプロモーションビデオがわかりやすいのでぜひ見てみてください。

見た目はまさに、Pinterest風。前に話題になったレディー・ガガのファンサイト「Littlemonsters.com」とも似ています。Interscope公式アカウントが共有した投稿の他、Interscope Recordsの各アーティストたちのソーシャルメディア上のアクティビティも、このサイト上に一元化されて表示されます。


このサイトのおもしろいところは、Interscope.comのサイトひとつ会員登録・ログインしていれば、すべてのアーティストのページ上でもログインした状態で、各ソーシャルネットワーク上のコンテンツに対してコメントやシェアができるところです。

従来は、同じレコード会社でもアーティストごと別々にファンサイトの会員登録をしたり、それぞれのソーシャルアカウントやサイトそれぞれに別途likeしたりコメントしなければならなかったものが多かったと思います。

あらゆるコミュニティやソーシャルネットワークをわたって、それぞれに参加するリソースを割くことで、時間も参加も断片的なものになり、有意義な方法ですべてのサイトやアーティストとつながるということが難しい状況だったこれまで。。
そこで、Interscope Recordsは複数のコンテンツの流れをひとつの母体となる場所、つまり「Interscope.com」というオウンドメディアに統一させ、ファンがリアルタイムに参加でき、複数のサイトをいちいち訪れることなく、自由にお気に入りのアーティストとつながることを可能にしました。

たとえば、「レディー・ガガが好きだけど、エミネムも好きだよ!」という時にも、Interscope.comに会員登録をしていれば、同じアカウントで2人のアーティストのコミュニティに横断的に参加することができます。また、同じアーティストの中でも、FacebookやTwitter、Tumblrなど複数ソーシャルネットワークをひとつのストリームに集約しているので、各SNSサイトにいちいち訪問することなく、Interscope.comのサイト上ですべてのソーシャルネットワークでアーティストとつながることができます。

 

■複数サイトをひとつのアカウントで紐付け、母体となるオウンドメディアの質を高める
Interscope.comの共通アカウントをさらに、FacebookやTwitterなどの複数ソーシャルアカウントと紐づけることで、さらにInterscope.comというオウンドメディアの利便性やパフォーマンスが向上します。

via Social Integration Runs Deep At The New Interscope Records Site

たとえばソーシャルログインで手間なく会員登録やログインができること。ソーシャルログインを通じてInterscope.comアカウントとソーシャルメディアと紐づくことで、アーティストの写真にInterscope.comのサイト上でコメントすると、同時に紐づいているソーシャルネットワークのフィードにもコメントや写真をシェアすることが可能です。手軽に友達に自分の好きなアーティストの情報を知らせて、そのシェア情報をたどってまた新しいファンがサイトにやってくる導線ができ、いわゆる「シームレスなソーシャル体験」を実現しています。

また、ソーシャルネットワークにはもともと自分と趣味関心が近い友達がいたりするので、アーティストのコミュニティにより多くのファンが集まりやすくなることが見込めそうです。
このように、母体となるサイト(企業のオウンドメディア等)で、ひとつのアカウント情報で紐付け複数のコミュニティやソーシャルメディアと統一化させることで、そのサイトの回遊率を高めたりコンテンツが充実し、より質の高いオウンドメディアになっていくのではないでしょうか。

音楽やアーティストとソーシャルメディアは相性が良いものです。だからこそ、ソーシャルメディア上のにぎやかなコミュニティを散在したままにせず、ひとつのオウンドメディアに集約することでユーザーの利便性はもちろん、企業サイトのパフォーマンス向上を実現していくInterscope Recordsの取り組みは参考になります。

 

■音楽ファンが集まるサイトのソーシャルログインの傾向は?
ちなみに、Interescope Recordsがオウンドメディアのソーシャル化に関するデータは、2010年と古いものになってしまいますが、以下のようなものがあります。ご参考いただければと思います。

●「Interscope.com」のソーシャルログインの傾向(2010)
via Success Story- Interscope Records | Janrain

Interscope.comはソーシャルログインを導入したことで、会員登録率がそれぞれのサイトで10%増加したようです。

また、最近ソーシャルログインプラットフォームを提供するJanrainが公開したデータからは音楽業界のソーシャルログインの傾向としては次なようなものになっていました。

via Social Login and Social Sharing Trends Across the Web for Q3 2012 | Janrain

業界ごとに好まれるソーシャルアカウントは変わってくることが予測されます。たとえば音楽業界であれば、音楽の趣味が合うリアルの友達とつながっているようなFacebookはもちろん、音楽をきっかけにオンライン上でつながっている仲間がいるTwitter、アーティストのミュージック・ビデオを楽しめるYouTubeなんかも相性がいいかもしれませんね。

関連記事:Facebook、Twitter・・・どのソーシャルアカウントでログインする?2012年のソーシャルログインの傾向

 

■ソーシャル連携を切り口に、バラバラだった体験をひとつにまとめる可能性
今回はInterscope Recordsという音楽業界のオウンドメディアの事例でしたが、これはそれ以外のタイプのサイトでも応用ができると考えられます。

たとえば、似たところだと芸能事務所だったり、他にも複数ブランドページやECサイトを持つアパレルやメーカー、製品ラインナップが豊富で各種キャンペーンを行っている食品メーカー、いくつものWebマガジンがあるメディアなどなど、ひとつのオウンドメディアを母体にアカウントを紐づけ、さらにソーシャルメディア連携させていくと、できるプロモーションの幅も広がってくるのではないでしょうか。
国内で参考になるのは無印良品の事例でしょうか。これに関しては、こちらの記事が大変参考になるので、ぜひご覧くださいませ。
売上昨年比3倍!無印良品、スゴロクキャンペーン速報+HTML5開発裏話 | in the looop

一言で「オウンドメディアのソーシャル化」と言っても、業界や目的ごとに打ち出し方や幅の広がり方は様々。今後国内の各業界やサイトのタイプごとにどのようなサイトのソーシャル連携が考えられるか、引き続き我々情報ハンター、フィードフォース・ソーシャルチームも追っていきたいと思います!

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author by 深谷 直

深谷 直

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