「One to Oneメール」の時代、「ソーシャルメディア」をどう捉えるか?海外事例と国内動向を振り返る

「One to Oneメール」の時代、「ソーシャルメディア」をどう捉えるか?海外事例と国内動向を振り返る

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「One to One」、「あなた専用」の時代

アップルストアは「One to Oneトレーニング」と題して、自分のスキルレベルに合わせてトレーナーとマンツーマンでApple製品のことを学べるサービスを提供しているみたいです。Apple製品に不慣れの私みたいな人には、ありがたい気がします。

さて、「One to One」、「あなた専用」といったキーワードを掲げて、ひとりひとりの属性に合わせて最適化されたマーケティング、というものは、以前から注目されてきた話題かと思います。2年前の記事ですが、マクドナルドのモバイルクーポンを使ったOne to Oneマーケティングについて、ダイヤモンド・オンラインでも紹介されていました。

●参考:マクドナルドがテレビCMをやめる日は来るか? 桁外れのOne to Oneマーケティングは成功するのか

町の魚屋さんがお客さんの家族構成や好み、ニーズに合わせてぴったりの新鮮な魚をオススメするように、企業は顧客の属性情報や購買データなどの行動履歴を蓄積し、それを分析してマーケティングに活かす・・・、こうした動きは近年の「ビッグデータ活用」や「プライベートDMP構築」の台頭に見られるように、より一層活発化しています。

これもひとつのOne to One?海外ECサイトの潔いメールマーケティング事例

身近な「One to Oneマーケティング」の一例といえば、メールマガジンのパーソナライズ化があるかなと思います。デザインアイテムのECサイト「Fab.com」も、ちょっと変わったOne to Oneのメールマーケティングを実践していることで、以前にThe Next Webでも紹介され話題になっていました。

Fab
via Fab Shows How to Keep Email Marketing Classy|The Next Web

多くのECサイトと同様、Fab.comでも会員向けにメールを配信しています。が、会員の中にはメールをちっとも見ないし開封すらしない、という人もいます。そんな、メールを一切無視する会員向けにFab.comが送ったメールの件名は次のようなもの。

Stop. Getting. So. Much. Email. Smile, you’re designed to.
「過度なメールを受け取ることをやめよう。笑って、あなたは笑えるように出来てるんだから。」

本文には、「いついつに送ったメールをずっと見ていないようだったから、今後配信を停止しようと思ってる。受信ボックスを散らかすようなことはしたくないから。」といった内容が書かれています。もし配信停止したくなかったら、記載されたリンク先で設定もできるようです。(それにしても件名の後半、洒落たキャッチコピー・・・)

●参考:Fab Shows How to Keep Email Marketing Classy|The Next Web

ECサイト側から配信停止を勧めちゃうの?と思いつつも、これぞいわゆるOne to Oneなのかなあ、と。まったく見られないメールを送り続けるのは、Fab.comもユーザーもお互い嬉しくないです。一定期間メールを無視したユーザーには、配信停止を提案するメールを送る、というユニークかつ納得の事例でした。

キーワードは「データ&分析、リアルタイムのインサイト、マルチチャネル配信、自動化」

Sailthru
今回紹介したFab.comが利用しているメールシステムが「Sailthru」です。Sailthruの掲げるテーマは、「Smart Data」を活用してマーケティングアプローチを最適化しよう、というもの。あらゆるチャネルにおけるユーザーの属性や行動データを取得・分析して、最適なメールコンテンツを自動配信することが出来るのだそう。ユニークなTシャツを販売するECサイト「BUSTEDTEE」では、Sailthruを活用してメール経由の売り上げが8.2%UPしたようです。

このSailthruは2012年の成長率270%、2013年に2月にベンチマークキャピタルより1900万ドルの出資を受けており、注目が集まるベンチャー企業であることがうかがえます。

●参考:After Growing Revenue 270% Last Year, Personalization Startup Sailthru Raises $19M From Benchmark, Adds Bill Gurley To Board

「顧客接点」と「データ」の視点で見るソーシャルメディア活用

手前味噌な話とはなりますが、11月にフィードフォースは、オウンドメディアのソーシャル化支援サービス「ソーシャルPLUS」と、エイジア社が提供するメール配信システム「WEBCAS e-mail」を連携開始しました。

フィードフォース、オウンドメディアのソーシャル化支援サービス「ソーシャルPLUS」と エイジアが提供するメール配信システム「WEBCAS e-mail」を連携

つまり何ができるかと言うと、サイトに会員登録やキャンペーン応募の際に「ソーシャルログイン」をしたユーザーから、許諾を得た上でソーシャルメディア上のロフィール情報や、いいね!した企業ページや投稿、趣味・関心等のソーシャルデータを取得し、それをもとにメールコンテンツを最適化して配信することが可能になります。
つまり、ソーシャルメディアは顧客との新たな接点であると同時に、データ&分析という観点でも重要なチャネルであると考えられます。

最近では、ソーシャルデータを活用してメール配信をパーソナライズ化したり、既存CRMやレコメンドエンジンとの連携を念頭にソーシャルログイン活用を検討する企業が国内でも増えてきています。

あらゆるチャネルであらゆるユーザーのデータを蓄積できるようになった今、インプットするだけでなくアウトプットまで実現した新しいOne to Oneマーケティングの事例が、国内でも出来てくるのではないかなと思います。そんな中でも、魚屋のおっちゃんがお客さんの本日の食卓事情に合わせて美味しい魚を勧めたり、Fab.comがメール配信停止を提案するうな粋な視点を持つ、という原点は忘れずにおきたいところです。

ソーシャルPLUSのサイトがリニューアルしました!

だいぶ見やすく、そしてかわいくなってます。「ソーシャルPLUS」ってブログでよく言ってるけどいったいなんなのさ、という方。よかったらこの機会に見てみてください。

●ソーシャルPLUS
http://socialplus.jp/

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author by 深谷 直

深谷 直

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